歯周病
自覚症状のない病・歯周病について
歯周病は歯の歯周組織(歯肉・歯槽骨)に起きる病気です。
細菌によって引き起こされ歯の表面に残った歯垢(プラーク)中の細菌が歯周組織を攻撃することによって、炎症が起きたり破壊されたりということが起こります。
成人の8割以上が歯周病にかかっていると言われていますが、虫歯のように耐えられないような痛みが出るなどのわかりやすい自覚症状がないため、気づかないうちに深刻な状況にまで病状が悪化してしまい、歯が抜け落ちてしまう病気です。
食後の歯磨きなどの口腔ケアを怠るとプラーク(歯垢)が付着し、歯と歯肉の間の溝にたまる事で歯肉に炎症が起こる事から歯周病は始まります。
プラークの中の細菌が歯周組織を攻撃する事により、炎症がおきたり、組織が破壊されたりします。
成人で歯を抜かなくてはならない原因の1位は歯周病です。
日本人の歯(永久歯)の平均残存数は 50歳で24本、60歳で21本、70歳で15本といわれているので、日本人のほとんどは歯周病での抜歯を経験しているかもしくは将来的に経験することになる可能性があります。
歯が抜け落ちるだけにとどまらない歯周病がひきおこす病気
また歯周病は歯が抜け落ちるだけの病気だけではなく、歯周病菌や炎症によってつくられる物質が血管を介して全身に運ばれるという歯周病連鎖により下記のような疾患に影響を与えるとも言われています。
口の中を清潔に保ち、歯周病を予防する事は健康を保つためにもとても大切な事です。
2個以上つくと、
歯周病の可能性があります。
- 朝起きた時に口の中がネバネバする
- 歯ぐきが腫れている
- 歯磨きの時に血がでる
- 歯が長くなった感じがする
- 硬いものが噛みにくい
- 歯ぐきから膿がでた事がある
- 口臭が気になる
- 歯がぐらぐらする
歯周病チェックに
お越しください。
歯周病のかかりやすさには個人差があります。
口腔内を健康に保つためにも歯周病チェックを行いましょう。
歯周組織の再生を誘導する
「GTR法」と
「エムドゲイン法」
GTR法
「GTR法」は深くなってしまった歯周ポケット内部をきれいに清掃した後、なくなった骨の上に人工膜(バリアーメンブレン)をかけ、歯周組織や骨を再生させる細胞が増殖するスペースを確保してあげるのが「GTR法」です。
エムドゲイン法
「エムドゲイン法」は、歯周組織が破壊されてしまった歯根の部分にジェル状の薬剤「エムドゲイン」を塗布することによって、まわりの歯周組織細胞を活性化 させ、再生を促す治療法です。どちらの治療法を選択するかは、歯の周りの骨のなくなり方や歯茎の量、手術の部位など、詳しい検査を実施して判断します。
エムドゲインゲルを使った歯周外科手術による治療が行えるかどうかは、歯周病の程度や患者さんの健康状態によっても異なりますのでご相談ください。
歯周外科治療手術とエムドゲインゲルによる塗布
歯周外科治療手術と
エムドゲインゲルによる塗布
1.歯周ポケットの測定
手術の前に歯周組織の状態を調べるため、歯周ポケットの深さを計ったり、レントゲンを撮ったり、その他治療に必要な検査を行います。
2.歯肉の切開
治療する部分の歯肉を切開します。
3.歯肉の剥離
切開した歯肉を剥離します。
4.歯根表面の清掃
歯根表面の清掃を行います。
5.エムドゲインの塗布
エムドゲインゲルを塗布します。
6.縫合
最後に切開した歯肉部分を縫合して手術は終了です。